「祇園の姉妹」
溝口監督は『山椒大夫』を見て、そのあとで『雨月物語』を見て、
今回『祇園の姉妹』を見ました。
まだ3作品しか見てないですが、どれも違った趣で、まだ溝口映画の共通点を見つけられていません。
3つとも素晴らしかったのですが特に『祇園の姉妹』、好きです。
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実家のトイレに、相田みつをさんのカレンダーがあって、
「損か得か、人間のものさし。善か悪か、仏様のものさし。」
というのがありました。
価値判断の基準。
①「損得」②「善悪」③「美醜」
私は完全に「損か得か」で動く人間ですけども。これははっきりと言い切っちゃいますけども。
なかには「善か悪か」で行動を決める正義感の強い立派な人もいるのでしょう。
そしてさらに崇高な精神として、「美しいか、醜いか」という判断基準。
『祇園の姉妹』のお姉さんは「美醜」を判断基準としてお持ちなのでしょう。
人として美しい行いを選択する。
それに対して「損得」を判断基準として持つ妹。
妹が男達をコロコロ転がしていく生意気な姿が可愛らしくて好きです。
対照的な二人。
ちょっと『風と共に去りぬ』のスカーレットとメラニーみたいだなぁと思ったり。
しかしラストは二人とも男達にひどい目に合わされてしまいます。
妹の嘆き。「世間を気にして、世間が私たちに何をしてくれるの?」
とても心に残りました。
悲痛な叫びのようなかたちで発せられた言葉ではあるけれど、この台詞、とても気に入りました。
近年よく言われる「空気を読む」という言葉。
この言葉が流行りすぎて、空気を読むことが最重要問題になってしまったように思います。
空気を読むことは確かに大切だし、
私のようなごく普通の人間は意識的・無意識的に空気を読みながら生活をしているのだけど、
「世間を気にして、世間が私たちに何をしてくれるの?」
この言葉を心に置いておくだけでなんだか解き放たれたような気分になれるのです。


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